· 

半年間の沈黙と復活ーオペラハウス再開秘話

 

私がドイツの滞在地シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州では、感染者数が減って来たということで、モデル・プロジェクトとして、観客に向けての公演を始めました。

 

その中で、一昨日の5月8日が長期ロックダウン後初のオペラ公演でした。

 

モーツァルト作曲「劇場支配人」ディブディン作曲「エフェゾス夫人」の2本をうまく90分にまとめた企画です。なぜ90分かというと、休憩なしにしてお客様通しの交流を無くすということだそう。

 

実はこちら、昨年の11月14日にプレミエ(初日)を迎えるはずで、私も携わっていたのですが、ゲネプロまで練習して、本番を迎えられていませんでした。半年間の沈黙の後の復活となります。ロックダウンが長引くうちに、ソリスト総勢5名の内の1人が出演できなくなり、新しい人に入れ替えての再練習がされました。

 

歌手たちは舞台上で動き回っても距離を取れるよう、演出が工夫されています。オーケストラの決まりもなかなかに厳しく、何平方メートルに対して何人とか半径何メートルとかの数字があり、前後左右距離をとって着席。指揮者と一列目の距離は3メートルとかで、さぞかしやりにくい環境だと思います。(そこで自分が演奏すると想像すると、正直恐ろしい。)

 

観客側も新しい決まりが追加されました。劇場に入るにあたって次の物が要求されます。

1.個人ID

2.購入者の記録のあるチケット

3.データ送信に関して署名済みの同意書 (個人データは研究用にキール大学に提供されます)

4.24時間以内のCovid-19陰性証明

 

観客が陰性証明ってすごいですよね。ちなみにこの場合の検査は無料。

 

余談ですが、ドイツの検査って鼻からの咽頭拭い検査ばっかりです。個人的にはツーンがひどいので苦手。日本みたいに唾液検査がいいなぁ。

 

席は当然減らしての販売。目分量的に5分の1くらいの座席量でしょうか。隣まですごい空いてます。

 

苦労の末、中止になることなくプレミエを迎えられてホッとしました。見れなくて残念ですが。通常の距離で、お互いの音をしっかり聴きながら演奏できる日を願うばかりです。

 

舞台写真はこちらから。

 

★ご案内★

ドイツのCovid-19の感染状況を考慮し、8月23日まで再延期して日本に滞在します。対面型コレペティを引き続き承り中です。オンラインもOK。譜読みのお手伝い致します。お気軽にお問合せくださいませ☆

 

前のブログ: いつか旅行が再開したら…街角で見た音楽家達

次のブログ: まさかの指揮者デビュー!?