マクデブルク州立劇場、私がこの街の名前を知ったのも、この劇場とご縁があったからです。「ドイツはなんとかブルクっていう名前多くて、その一つか~」くらいの認識でしたが、色々知ってくると個性的な魅力が沢山ある街ということを感じました。これまで順に紹介してきまして、その最終章オペラハウスの話に入りたいと思います。
余談ですが、NOVAのドイツ語の先生がマクデブルク出身で、よくローカルスーパーの話題とかしましたっけ。
オペラハウスと演劇場の2つの建物があります。ドイツでは、劇場の規模を表すのに日本のように客席数を使わないので、未だに何席あるのか知りません。座席表を指さし数えるしかないかも。
楽屋口↑
劇場の規模は予算に応じてアルファベットで表します。Aがお金持ち、Bがその次、Cまであるとか、Dまであるとか…。マクデブルク劇場はBの上。音楽部門以外に、バレエ部門、演劇部門など複数のカテゴリーを有しているところがほとんどなので、予算規模を基準にするのがしっくりくるのだと思います。
ちなみに、このクラス分けはレベル分けではありません。予算が大きいとギャラの高い人たちを雇えるから、レベルの高い公演になる確率が高い、という事です。
実際、私がベルリン・フィル→クリーヴランド響→ピッツバーグ響と聴いた後で、マクデブルクの「ラ・ボエーム」を聴くときは、さすがに劣るんじゃないかと予想していましが、なんのなんの、まったく引けをとらない(というのも失礼にあたる)素晴らしい演奏で感激したという体験があります。(その前の3つのコンサートも記憶に残る素晴らしい公演でした。)
この組織がいつから存在するのか分からないのですが、1834~1836年に若きワーグナーが音楽監督を務めていた(21~23歳)という記録が残っています。ちなみにその間に2作目のオペラ「恋愛禁制」を作曲初演しています。
オペラハウス自体は、第二次世界大戦の空爆で焼失。その後も火事で壊滅的な打撃を受け、現在の建物は1997年に再建築されたものです。
外面は統的な装いで、客席は馬蹄形ではなくプロセミアム型っていうんでしょうか?バイロイト型っていうんでしょうか?客席全部が舞台の方に向いているタイプです。
過去の写真を探していて、客席全体が分かる写真を撮ってなかったことに驚きました。あんなに長く居たのに…。いつでもできることって、しないまま終わるんですね。
ホワイエはモダンなデザインです。この中にワーグナーの胸像がありますが、見つけられるでしょうか?
現在日本にいてドイツの写真が撮れないので、過去の公演や練習の様子などを紹介していきたいと思います。
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丘バイキング (金曜日, 17 6月 2022 20:58)
ワグナーがなんであんな楽劇書けたのか?フレンスブルクで冬を過ごせばわかる…
ワグナーは北ドイツを旅行したことがあるようでその時の体験を音楽にしたんだろうと推測する。
轟音の嵐の夜、さまよえる丘バイキングとして悪夢にうなされる…そして目が覚めると朝陽がムンクの叫びの絵の中…こういう雲と朝陽は見なきゃ描けない。
Maki (土曜日, 18 6月 2022 01:51)
恥ずかしながらワーグナーの音楽と北ドイツを絡めて考えたことがなかったですが、あの時海岸を見て嵐を想像すると(白馬の騎士で描写がされてますが)、なるほどと感じるところがあります。
広大で寂しく、途方もない世界への扉が開く感覚。現実なのか幻想なのか。